うつ病にかからないために

ヘルスケア

算命学では「うつ病占技」というものがあり、自身のうつ病に罹患する可能性のある時期を特定することができます。
(うつ病占技については、ここでは解説を割愛しますが、創喜塾の門下生たちがブログや動画にて発信していますので、詳しくはそちらを参考にしてください。)

実は、私はうつ病罹患経験者です。罹患したのは一度きり。
今は寛解(かんんかい)の状態で、再発もしていません。
うつ病に完治というものはないようで、「寛解」という言葉を使います。
寛解とは「以前の元気が回復している状態」を指すそうです。

算命学の勉強を始めてから、私自身のうつ病に罹患する時期を調べてみたのですが、
どんピシャで当たっており、うつ病にかかるであろう時期にうつ病にかかっていました。
一度うつ病にかかってしまうと、寛解の状態になるのに数年はかかります。
もし、私がうつ病になる前に算命学を知っていたなら、
予防をできていたのになあ・・・と思ったものでした。
算命学的にうつ病にかかりそうな時期を特定できたなら、まず心の準備ができるはずです。
あらかじめわかっていれば心の準備ができ、負担も少ないですし、予防することもできます。

そして算命学的な解決法なのですが、端的に言いますと、

「強い体を作る」

と教わりました。「え?」ですよね。(笑)

もっと理論的に星や五行を使うとか、そういうことかと思ったんですが、
解決法はとても現実的で単純でした。
でも、この「強い体を作る」という解決法、実はかなり理にかなっていて、
科学的にも実証されているようなんです。
それをこれから説明したいと思います。

その前にうつ病とは何か、また発症の仕組みを知って頂く必要があります。

うつ病とは


気分が落ち込み憂うつになったり、やる気が出ないなどの精神的な症状のほか、
眠れない、疲れやすい、体がだるいといった身体的な症状が現れる病気です。

実際にはうつ病には2タイプあり、日本人は上記のような抑うつ、意欲低下型
米国人はイライラしたり攻撃的になる不安焦燥型のうつ病になるそうです。

発症の仕組み


解明されていないことも多々あるのですが、現在の研究では、
脳の神経細胞同士でやり取りされる神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリン、ドパミン)のバランスの乱れが関係しているために起こるとされています。

(ちなみに余談ですが、発達障害のADHDも脳内の上記に挙げた神経伝達物質のバランスが悪いために起こっており、2次障害としてうつ病を患いやすいと言われているのはこのためです。
引きこもりの方にも似たようなことが言えるそうです。)

特にうつ病の場合は、この神経伝達物質の中でもセロトニンが減少するために不安になったり、
落ち込みやすくなると言われています。
セロトニンは眠気を引き起こす素のメラトニンを作るため、セロトニンが減少すると、
比例してメラトニンも減少するため不眠も引き起こします。

うつ病の効果的な治療法

うつ病の予防、また治療のためには、セロトニンを増やしてあげればよいのですが、
その方法は朝陽を浴びて運動することなのです。
朝に陽の光を浴びると(夕陽では駄目なんです)、セロトニンが生成され、
15分ほどのウォーキングなどのリズム運動がさらにセロトニンを活性化してくれるのだそうです。
運動は体温を上げ、心拍数をあげてくれます。
このことにより、睡眠時に働く副交感神経から覚醒時の交感神経への切り替えが行われます。

うつ病の方は、

セロトニンが減少→メラトニンが減少→不眠→疲れが取れず朝起きれない→朝陽の光を浴びない→疲れており運動もできない→セロトニン、メラトニンが作られない→不眠・・・

というふうに悪循環に陥っています。
病院へ行けば薬物療法にて、セロトニンを増やすお薬を処方してもらえますが、
最近の研究では、運動療法は薬物療法と同等かそれ以上にうつ病の治療に効果があるとされています。(「うつ病、運動療法、論文」と検索をかければ、日本語での論文が多数でてきます。)

太陽の光(セロトニンを生成)を浴びると16時間後に眠くなるように
人間の体内時計はセットされています。
睡眠と覚醒のリズムを保ち、体内時計を崩れないようにすると
ストレスや疲労に強い体になるのだそうです。
ちなみに夜勤の仕事水商売SE/プログラマー(納期に追われ夜勤が続くことがある)は、
睡眠と覚醒のリズムをつかむことが難しい職業なので、ストレスを抱え疲労が蓄積しやすいため、命を縮めるそうです。

規則正しい生活をし、質の良い睡眠をとり、運動することで強い体を作り、
うつ病をも克服するとのこと。
睡眠、規則正しい生活と運動が健康を作るって、
当たり前といえば、当たり前ですよね。
特に目新しいことはないのですが、それだけ現代の生活は、
質の良い睡眠と規則正しい生活、運動時間を確保することが難しいということの裏返し、
うつ病は生活習慣病と言っても過言ではないのかもしれません。

運動療法についてですが、イギリスの国立医療技術評価機構が出している
精神疾患の治療ガイドラインにてもその効果について言及されており、
うつ病だけでなく、認知症、不安障害、パニック障害等にも効果がある
と報告されています。また、発達障害のADHD、双極性障害、統合失調症には
補助的な治療法として、ある程度症状を緩和する効果があるとされてます。

運動の目安

時間:週2~3回、1回につき45~60分
運動内容:中強度の有酸素運動(軽く汗をかくほどの運動)

続けることが肝心です!
朝のウォーキングでセロトニンを作り、
週に3時間ほどの運動を行い、うつに負けない強い体(=ストレスに強い)を作りましょう。

うつ病と飲酒の関係

うつ病は初期の段階で、環境を見直し、適切な治療をすれば1年ほどで寛解します。
環境調整がうまくいかなかったり、性格的な部分が原因で長びいたとしても2~3年ほどで寛解するそうです。
中には10%程の方が難治化するらしく、3年以上たっても寛解しないそうです。
その原因として飲酒が挙げられるそうです。
飲酒というのは脳の神経活動を下げ、落ち込んだり、抑うつ的な状態になるため、
治りにくくなるのだとか。
また抗うつ薬との飲み合わせも良くないとのこと。
うつ病に罹患したら断酒をしましょう。
また普段からも強い体を作り、健康的な生活を心がけるのでしたら、
飲酒はほどほどにしましょう。

うつ病と鉄分の関係

巷では、鉄分がうつ病を治すという説や本が多数出ています。
うつ病はうつ病の治療をしないと治りません。
鉄分をとることで治ったのは、鉄欠乏性貧血のはずです。
うつ病の症状と貧血の症状というのは、非常によく似ています。
似ているために貧血の人が自分の症状をうつや心の病と診断したり、
また精神科や心療内科に受診しても、血液検査を行わずにカウンセリングのみであれば、
うつ傾向と診断されてしまうのではないでしょうか?
当たり前ですが、うつ病ではないのに、うつ病の薬を処方されても治りません。

精神科に通い、抗うつ薬を飲んでもうつ病が治らない
→「うつ病には鉄分がきく」とネットや本で紹介されていた
→鉄分を飲んだらうつ病が治った

それはうつ病が寛解したのではなくて、元々貧血のため、
鉄分の補給により貧血が治ったというだけのことだと思います。
事実、私はうつ病が寛解したあと、うつに似た症状が再度出現したことがありました。
朝起きれず、だるくてやる気が起きない。
「再発したのか?!」とビクビクしていましたが、ほどなくして会社の健康診断で
「極度の貧血のため治療を要す」との記載が。
今まで貧血になった経験がなく、そのような診断を受けたことがなかったため、
自分の症状が貧血だとはわかりませんでした。
内科を受診すると、やはり「貧血になると朝が起きられない、だるい、やる気が起きないなど、
うつ病に似た症状がでますが、鉄分を補給し治療すればすぐに症状は改善されます。
うつ病ではありませんよ。」とのこと。
週に1度通院し、鉄分を補給する太い注射を打っていくと、
うつのような症状がだんだんなくなり、半年ほどで貧血は完治し、元気になりました。

また余談ですが、発達障害の発症の仕組みも神経伝達物質のバランスの乱れと言われており、
これについても鉄分をとると発達障害が治るという情報が流れています。
関連性は論文を調べてみると、効果があるとするものとそうでないものと
まだその根拠は確立されていません。
こういう情報にも惑わされないことが大切だと思います。

不安症の遺伝子をもつ日本人

現在は、コロナウィルスの影響で経済の悪化や自宅での自粛など、
うつ病などの精神疾患にかかりやすい環境にあります。

ヴュルツブルク大学のペーター・レッシュが率いるチームの研究(少し古い研究です)では、
セロトニントランスポーター遺伝子(セロトニンの伝達に関係している遺伝子)に関する論文があります。
その遺伝子の型には3つのタイプがあり、

SS(セロトニンの働きが悪く不安を感じやすい)
SL(SタイプとLタイプの混合型)
LL(セロトニンがよく働く快活、楽天的タイプ)
※米国では約40%の人がLLタイプを所有している。

東アジアでは70~80%の人がSSタイプという、
セロトニンの働きが悪く不安を感じやすい型の遺伝子をもち、
日本人は遺伝的に不安を持ちやすい民族と報告されています。
マスメディアでは連日ネガティブキャンペーンが行われ、
先行きの不安をあおるような報道がなされているように感じます。
テレビは消して、今できることにフォーカスし、運動、規則正しい生活、質の良い睡眠をとり、
不安に負けず、精神疾患にならないような強い体を作ることを心がけましょう。

注:今回紹介したうつ病に関する情報は、
私が精神科に受診した時に精神科医から聞いたことと
その後、2020年5月現在、必要に応じて調べたことを記載しています。
うつ病で治療中の方は、主治医の指示に従ってください。

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