新型コロナワクチン開発から算命学をみる

ヘルスケア

東洋薬(漢方薬)と西洋薬の大きな違いはご存知ですか?
数種類の生薬を組み合わせて作られる東洋薬(漢方薬)は多く有効成分を含むためさまざまの作用を持っているという特徴があります。患者の体質やその時の状態によってその人の生体システム(免疫系や神経系、内分泌系など)に合った薬が処方されるので違う病気に対しても体質や症状が似ていれば、同じ漢方薬が用いられることがあります。
その一方で西洋薬は単一の成分をピンポイントに体の悪い部分へと作用させるという特徴があります。感染症にかかれば抗生物質という具合にです。西洋医学では病気の原因を突き止め、それに合った薬を処方するので同じ病気だと診断された場合は同じ薬が処方されます。
(Newton別冊「くすりの科学知識」より)

体の不調から体質を改善するなど体のバランスが取れるよう処方される漢方薬に対して、病気の原因を突き止めピンポイントに体の悪い部分へと作用させる西洋薬ですが、今回まさにピンポイントに作用させる新型コロナワクチンが開発されました。以前から注目されていた核酸医薬品の中でもmRNA医薬品という新しい技術で作られています。mRNA医薬品は大きく分けて治療薬とワクチンの2種類あり、生体内で治療の鍵となる分子を発現するmRNAを体内に入れることで治療するのだそうです。利点は合成が比較的簡単であることと臨機応変に配列の変更が可能であることです。新型コロナワクチンにこのmRNA技術が使われた理由は、世界中の人にワクチンを大量生産という形で供給しなければいけないという難題があったため、合成が簡単という利点を持つmRNA技術が選ばれたのかもしれません。

mRNA医薬品は以前から注目されていたにもかかわらず、mRNA分子が不安定であるため実用化への道になかなかこぎつけることができませんでした。(mRNA医薬品のヒトへの実用化は今回がはじめてとなります。mRNAワクチンはヒトへの実用化はできましたが、mRNA治療薬の方はまだ難しいようです。)実用化するためには体内に入れピンポイントで作用させるもう一つの技術が必要だったからです。それがドラッグ・デリバリー・システム(DDS)、「薬物送達システム」です。核酸医薬品の製品化のカギを握っているのは実はこのDDSなんです。DDSは製剤技術の1つで、医薬品の有効成分を、適切な場所に、適切な量を、適切な時間作用するように届ける技術です。治療効果を高めたり、副作用を軽減したり、より簡単に投与できるようにしたり、投与の回数を少なくしたりと、さまざまな目的で使われ、新型コロナワクチンには「脂質ナノ粒子」が使われています。

「脂質ナノ粒子」は抗がん剤を運ぶDDS技術(がん治療リポソーム)としても研究されていますし、また身近なところでは化粧品(KOSE コスメデコルテの「モイスチュア リポソーム」)にも使われています。
※現在は薬機法(旧薬事法)にて化粧品用リポソームは規制されており、リポソームと表現する際は動物実験で安全性を証明できる資料を提出しなければいけないとなっているため、リポソームを使った化粧品はほとんど出回っていませんが、「ナノカプセル」と表現し、レシチンを使っている化粧品があります。

<参考文献>
「RNAワクチン」wikipedia
「リポソームの機能と医薬への応用」菊池寛 エーザイ株式会社 製剤研究部DDS研究室
「機能性リポソームの開発と薬物デリバリーシステムへの応用」大阪府立大学大学院工学研究科 物質化学専攻 応用化学分野 生体高分子 化学研究グループ
「高感度温度応答性リポソーム-癌だけを攻撃する癌化学療法を目指して-」大阪府立大学大学院工学研究科 物質化学専攻 応用化学分野 生体高分子 化学研究グループ
「脂質ナノ粒子を用いた核酸医薬デリバリー」岡本彩香・浅井知浩・奥直人 静岡県立大学大学院 薬学研究院 医療生命化学教室

生体内にいかにして薬をピンポイントで届け作用させるかを考えるDDS研究。
この分野に興味を持ち、研究をする知り合いがいます。この方の命式の極星と中心星が「調舒星」でした。「調舒星」といえば伝達本能で、芸術などを通して人へ表現・伝達で消化するというのが算命学では一般的な解釈ですが、DDSという人体へあらゆる手段を用いて薬を届け、作用させる(薬を送達させ、表現させる)という概念での「調舒星」の宿命消化の仕方には、「こんな方法もあったのか!」と感心させられました。しかも「調舒星」は火質の寿徳(健康)でもありますし、なおさらこの消化のさせ方は素晴らしいと思いました。

新型コロナワクチンにmRNA医薬品技術が使われていると知り、この方から聞いていたDDS研究のことを思い出し、宿命の消化の仕方の参考例として今回取り上げてみました。

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