五節句と算命学 ②

暮らしの中の算命学

あかりをつけましょ、ぼんぼりに~~~♪

おはなをあげましょ、もものはな~♪

ひな人形

ということで、本日は、桃の節句、ひな祭りをテーマにお届けします。

別名『上巳(じょうし)の節句』

巳(み)、へびです。
出てきましたね。
陰陽五行論です。

現在では、ひな祭りは3月3日ですが、
昔は旧暦辰月(現在の4月)の最初の巳(へび)の日に行われていました。
そこで上巳(じょうし)の節句と言われているそうです。

元々はどのような意味があったかと言いますと、
邪気に見舞われやすいこの日に
罪や穢れ(けがれ)を祓う「禊ぎ(みそぎ)」を行うのだそうです。

禊ぎ(みそぎ)→身削ぎ→ヘビ(巳)の脱皮

という所以があるのではないか?とのこと。

また身を清める(禊ぎ)ときには、水を使います。
ですから昔の上巳の節句では、
紙や植物を使った人形(ひとがた)や
形代(かたしろ)を流して禊を行う流し雛で、
今のような華美なお雛様を飾る風習はなかったようです。

水に縁のある辰月。

水は申に生じ、子にさかんに、辰に死す。 三辰(三枝のこと)は皆水なり。
中国「淮南子(えなんじ)」より

辰は「水気」の終わりで、水が集まり、「水庫」と言われるほどです。

算命学を学習している方は、おわかりですね?
三合水局(さんごうすいきょく)のことです。

生物および事象には栄枯盛衰があり、
その原理を陰陽五行論にあてはめたのが「三合」の理。
昔の中国の人は、水気が冬(亥、子、丑)という短期的な季節の考え方だけではなく、
季節を長期的に捉えたこの三合の理の考え方も持っていました。

流し雛の風習は、
この水気の終わりの辰月に行われたわけです。

また、この流し雛と同じ論理で行われる宮中行事が『曲水(ごくすい)の宴』。
やはり上巳に行われていました。
庭園内をうねる川のほとりに座り、その流れに杯を浮かべて、
その杯が自分の前を通り過ぎない間に詩を書き、
その杯をとって酒を飲んだという水を使った風流な遊びです。

京都では、3月3日のひな祭りの日に、
松尾大社の松風苑、曲水の庭で、
流し雛が行われています。
(他の地方でも、流し雛の風習が残っているところもあると思いますが・・・)

以前、この近くに住んでいたのですが、
この時期になると町内会から
「人形(ひとがた)を流しますか?」という回覧版が回ってきていました。
今でも生活の中に、陰陽五行論が根付いていることを深く感じる瞬間でした。

昔の人は、このように陰陽五行を生活の中に取り入れていたのです。

今ではその風習が行事として残ってはいますが、
何のためなのか、どんな意味があるのかよくわからず、
本来の意味を知らずにただ行事として行っているにすぎません。

ですが、私たちは本来、
このような宇宙の法則を信じて、
生活の中に取り入れてきたことを忘れないでください。

ここからは、お雛様雑学~♪

幸風は京都に住んでいますが、
みなさん、お雛様や飾り方って、地域によって違うのはご存知でしたか?
京雛と関東雛の違いはよく知られていますが、

京雛は、まず女雛の髪型が違いますよ~。
京雛は、「おすべらかし」という髪型をしていますが、
(皇族のご婚礼で、皇太子妃が十二単を着てするような髪型です。
雅子妃を思い出してください。)
関東雛は、「古典下げ髪」という髪型です。
(下げ髪というくらいですので、おさげのような髪が特徴です)

それから・・・・
京都と関東では、男雛と女雛の並べ方も逆です。
(博物館や美術館では、京都式の並べ方です。)

関東風の飾り方だと、雪洞(ぼんぼり)の代わりに
燭台(しょくだい)を使ったりもします。

それと、これは京都だけの飾り方でしょう。
犬筥(いぬばこ)という
犬の形を象った張り子の雄雌一対の小箱を男雛と女雛の横に飾ります。
女の子の健やかな成長と幸福を願う意味があるそうなのですが、
「戌の日に腹帯をする」という風習を考えると
この犬筥は、単なる女児の健やかな成長を願うだけの意味とは幸風は思っていません。

次回は、犬筥(いぬばこ)から、
「戌の日に腹帯をする」のはなぜか?まで説明したいと思います。

※今年は戌年ということもあり、
また黒柳徹子さんが犬筥(いぬばこ)のコレクターであると
テレビで報じたためか、犬筥(いぬばこ)は大変な人気だそうです。

ちなみに、
雛飾りに『左近の桜』、『右近の橘』も飾りますよね?
これは、京都御所内部に存在する紫宸殿(ししんでん)と同じ飾り方です。

これも陰陽論にルーツがあるそうです。

左は陰陽道では陽に分類され、花が開く桜や梅も陽。
右は陰に分類され、すぼまった形の実は陰。
と陰陽(この世の全て)を左右に従えているという意味でもあるようです。

香1

これは京都御所の近くにある
香の老舗店「山田松香木店」で
京都本店限定で売られている
「御所ノ花果」という名の、
「左近の桜」と「右近の橘」という二種類のお香がセットになったものです。
ひな祭りの季節にはピッタリ。

上品で甘い柔らかい香りが特徴で、幸風は大好きです!
是非、京都に来られた際はお買い求めください。

いやー、実に奥が深い。
こうやって日本の風習を紐解いていくと、
陰陽五行論で説明できることがまだまだたくさんでてきそうですね。

このお話の出典は「カミナリさまはなぜヘソをねらうのか 吉野 裕子 著」

タイトルとURLをコピーしました