五節句と算命学 ③

暮らしの中の算命学

『顔を忘れた犬』 by ゆきかぜ

ムンクの叫びもさらにビックリ!!の傑作で、
本日はスタートです。

前回の告知通り、本日のお題は「犬」なのです。

内容は上巳の節句から少し脱線しますが、
お雛様を飾るときに、
女の子の健やかな成長を祈り、
お内裏様とお雛様の横に犬筥(いぬばこ)飾る京都の風習から、
戌にまつわる陰陽五行についてご紹介したいと思います。

実際の犬筥(いぬばこ)は、犬というより、幸風が書いたような、人面犬みたいな感じです。
一体、犬筥(いぬばこ)は、何犬なのでしょうか・・・・?
個人的には、あまり幸風の好みではありません。

お子さんを産んだご経験のある方ならご存知かと思いますが、
妊娠五か月になると、妊婦さんは「戌の日」に腹帯をして、
無事に子供が生まれることを祈る風習があります。

このことからもわかるように、
生まれてくる子供の安産や健やかな成長には、
なぜか戌と関連づけられています。

なぜ戌なのでしょうか?


(c) .foto project

算命学を既に学んでいらっしゃる方は、三合のルールをご存知のことでしょう。

生物および事象には栄枯盛衰があり、
その原理を陰陽五行論にあてはめたのが「三合」の理。
昔の中国の人は、短期的な季節の考え方だけではなく、
季節を長期的に捉えたこの三合の理の考え方も持っていました。

戌に関わる三合は二つあります。

「火は寅に生じ、午にさかんに、戌に死す。 

三辰は(三枝)皆火なり。」

「土は午に生じ、戌にさかんに、寅に死す。

三辰(三枝)は皆土なり。」

中国「淮南子(えなんじ)」より

午・戌・寅の三合は、全て同じ干支ですが、
火気と土気では、生・旺・墓の順が異なっています。

火気では、戌において火が死に、
土気では、戌において盛んになるのです。

要するに火気が衰えて死ぬところに、
土気が最も盛んになるというわけで、
火気は、土気の親だということになります。

これが

土性は火母に従う

という法則です。

※算命学を学習中の方は、土性=火性だと教わりましたよね?
それはここから来ています。

陰陽五行では、人間は土性にあたり、
土性の人間を産む火性も併せ持つ戌は、人間の親だと考えられているそうです。

ですから、
戌の日に腹帯をしたり、
京都のように犬筥(いぬばこ)を結婚祝いに贈ったり、
初節句に飾ることは、
人の祖先としての確認と、
それによる安産や子どもの健やかな成長を祈るということになるだそうです。

「犬のお産が軽いから」
という、そのような理由だけではないそうです。
動物のお産は全て軽いわけですから・・・


(c) .foto project

なお、生まれたばかりの子を「赤ちゃん」と呼ぶのも、
火(火性)が生み出すもの(土性)という意味だそうです。
(火性、南の方向の色は、赤なのは覚えてますか?)

陰陽五行を通して祈った先人たちの生活の知恵は、
このようにいたるところに存在しています。

「何かに似てる~~~!!」と思っていたのですが、
今、思い出しました!


                   by ゆきかぜ

宮崎映画『ハウルの動く城』に出てくるあの犬、「ヒン」に似てませんか?!

例えていうなら、エステ後の「ヒン」

え?

あかん?

ジブリスタジオに転職か?!と思った程の自信作やったのに・・・

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