宿命中殺と日座中殺の生き方

算命学解説

宿命中殺を持っている人は、家系や親からの恩恵は受けられません。縁が薄い宿命です。いつまでも家系や親に縛られていると、外側からは充実してそうな人生に見えいても、本人の内側である心は、いつまでたってもモヤモヤした気持ちのまま充足感を得ることができず、心穏やかに生きていくことが難しくなります。不完全燃焼な人生を送っているような感覚です。

欧米では、親子であっても個が確立されており、自立が当たり前という観念があるため、モヤモヤしたまま人生を送っている宿命中殺さんは少なさそうに思います。実際に私の外国人の友人たちで宿命生月中殺や宿命二中殺(生年&生月中殺)を持っている人たちは、学生の頃から母国を離れて遠い異国の地で生活しているのですが、宿命に沿った生き方をしているせいか、現在の自分の生き方に不満もなさそうで活き活きしています。

逆に宿命二中殺を持つ私の親戚女性は、結婚しても実家近くに住み、何かあるたびに実家に赴き、家系から離れられず、残念ながら彼女の人生は傍から見てもあまり幸せそうには見えません。若い頃から体調が芳しくなく、今でも病名のつかない不定愁訴で病院通いばかりをしており、そんなところからも人生が不完全燃焼しているさまが窺えます。

宿命中殺は親元、家系を離れて陽転していく宿命です。どんどん実家から離れて欲しいというのが私の願いなのですが、日本人の感覚ですと、特に田舎では実家を離れるということがまだまだ難しいのでしょうね。

「甲戌」、「乙亥」日座中殺は、跡取り天中殺グループの申酉天中殺に属していますが、この干支は別扱いになる干支です。生涯にわたって天中殺の中にあるという干支であり、「不完全の美」とも言われ、何事にも未完成に終わり物事の結果を出すことが難しいと言われています。そういう意味では、完成がなく常に追求し続ける芸術などの元々不完全な状態の中に身を置く、または形にせず不完全な状態にしておくことが自然な生き方になります。

申酉天中殺グループは自分の親や兄弟思いで大切にします。それがどんなに役に立たないような親、兄弟でもです。日座中殺の「甲戌」、「乙亥」もそれは同様です。しかし、日座中殺は自分の親といる限りは、どんなに努力しても無駄に終わり、報われることはありません。日座中殺は親元を離れなければ現実的な成功はなく、陽転しないのです。

女性の場合は、結婚にて現象が大きく出てきます。順当な結婚はできにくく、結婚して子供が出来なければ上手くいきますが、子供ができると子供運が欠けるか、夫運が欠けるかのどちらかになります。算命学では、男子が生まれると完全な家庭となり、女子が生まれると不完全な家庭と言われているため、女子が生まれた場合は現象は強く出ません。

私の祖母が日干「甲戌」、伯母が「乙亥」の日座中殺でしたが、結婚し子供が生まれると、祖父は自死(私の母が子供の頃)、伯母の夫は変死しました。家庭が完全な形になると、宿命通り不完全な形に引き戻される現象が起きるのでしょう。日座中殺は常に不完全であることが良いのです。国際結婚や年の差婚、女性が年上の結婚、子供がいない結婚など、あえて不自然な形(算命学ではこれらの結婚は不自然と解釈します)をとるなど、宿命通りの環境に身を置きましょう。

今回は私の身近にいる周囲の人たちばかりを例として挙げていますが、とても狭い、限られた事例ですので少し説得力に欠けますが、身近な人を観察し、紐解いていくとやはり当てはまることが多いなあと実感します。

日座中殺をもつ有名人で注目をしていた方がいます。良い宿命の消化の仕方をされているなぁと思っていたのですが、最近男の子が生まれたとのことで、益々今後を注目してみたくなりました。

台湾人モデル兼女優のリン・チーリンさんです。簡単にみてみます。

リン・チーリン 1974年11月29日 47歳 申酉天中殺

木性一気格一点破格(日支破格-戊)-亥寅の支合で木性に変化
自我の強そうな命式ですね。配偶者の場所の日支が壊れていること、そして5つの木性から日支の土性一つ(戌)が剋されています。この場所に入る配偶者は選ばれしものでないと厳しそうです。

貫索星天禄星
禄存星龍高星貫索星
天印星石門星天貴星

彼女は日座中殺としての生き方をされています。モデル・女優という枠のない、不完全で終わりのない世界で美しさや演技を追求し、台湾では不動の人気を得て成功を収めています。カナダのトロント大学を卒業し、ご存知の通り日本でも活躍する方で語学が堪能な才色兼備ですが、結婚のご縁にはなかなか恵まれず、2019年6月にEXILEのAKIRAさんとご結婚をされたのは44歳の時でした。この結婚は国際結婚であり、リン・チーリンさんがAKIRAさんより7歳年上ですので、不自然な形の結婚で結婚の形は不完全です。これも宿命と環境が見事に一致しています。リン・チーリンさんは40代半ばでのご結婚でしたので年齢的に妊娠は難しそうだと私は予想していたため、このまま不完全な形で結婚生活を送られるのかと思っていたのですが、リン・チーリンさんは卵子を凍結保存されていたようで、今年男子をご出産されたという報道がなされました。家庭が完全な形になったリン・チーリン&AKIRAご夫妻。今後を見守っていきたいと思います。

※AKIRAさんは戌亥天中殺の方です。ご結婚された2019年は己亥の年で、AKIRAさんの年運天中殺にあたります。しかし、国際結婚や女性が年上の結婚の場合は、例外で問題ないとされています。

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