火多くして土崩れ、舞い散る

算命学解説

日干が土質で火質が多い命式の場合、火質に生じられすぎて、土は乾燥し砂漠のような状態になってしまいます。火源の木質があれば、さらに火は燃え、土を乾燥させます。命式に水質があれば良いのですが、なければ乾燥した土は砂となり、風に舞い飛び散っていきます。

行くあてもなく、どこまでもどこまでも風に舞い飛び散っていくということは、あてのない放浪人生となります。

日柱月柱年柱

五行に直すと

日柱月柱年柱

火源の木質が月干にあり、日干以外は全て火質で命式に水質が28元にもありません。
己は畑です。例題の方は初夏の畑です。畑は作物を育てて、世の中の役に立ちます。残念ながらこのような砂漠のような畑では何も育てることができません。

生じられるものが多いということは、両親、目上から過保護にされているということです。親元を離れ自立すること、そして、魂の抜け殻のようにこの世を彷徨う人生とならないようにするには、水質が絶対に必要ですので、日干が水質の人と交流すること、日干土質の方からみて水質というのは「禄存星」、「司禄星」のため、人に優しく、奉仕の精神で尽くすとことで放浪人生から免れます。

日干=自分が土質ではない、応用パターンもあります。

日柱月柱年柱

五行に直すと

日柱月柱年柱

月柱に火源の木質があり、日支以外は全て火質です。地支28元の中に一滴も水質がありません。
土質のある日支は配偶者の場所です。つまりこの命式では配偶者の場所が砂漠になっています。もう少し詳しくみていきましよう。

この命式の方が女性ならば、日干火質「丙」からみて、土質は火生土と子供や部下になります。つまり、この命式の女性の子供・部下は、たくさんの火質に生じられ(甘やかされ)、放浪人生になり、安定しないということです。

また、日干「丙」の干合相手(配偶者)は「辛」ですが、日支「戌」の中、28元にある「辛」になります。「辛」というのは、水(壬)で磨かれて輝く宝石です。火に炙られることを一番嫌い(ドロドロに溶けるため)、乾燥した土に埋まることも、才能が埋もれて世に出られないことを意味するため嫌います。この命式の方の配偶者は、配偶者の場所である日支が砂漠化しているため、才能があっても世に出ることはできず埋もれたままであり、また戌の地支は午や寅が後天運で廻ってくると火質に変化するのですが、放浪する人生ならまだましで(子ども)、火質によってドロドロに溶かされてその場で全く身動きが取れない石ころ、つまり心身共に弱い、うだつの上がらない人(配偶者)となるでしょう。

もし、この命式のお相手側からの結婚前相性相談であれば、本人の命式がよほど強い命式か特殊命式である場合を除いては、私なら「やめなはれ」とアドバイスするでしょう。寿命が縮まります。

また、日支の場所というのは、配偶者の場所であると同時に補佐の場所でもあります。この方がもし何か事業をしていた場合、補佐をする人はこの場所に入ります。仲間が補佐をした場合、戌(戌の28元は戊、辛、丁です)の中には丁がいますので、丁がその補佐になるでしょう。丁は灯りです。砂漠で燃えても暑苦しいだけです。明るく照らす太陽(丙)がいるもとでは、丁(灯り)は役に立ちません。あとは説明しなくともわかりますよね?想像してみてください。

ではこういう場合、改善策としてどうしたらよいでしょうか?
これは高度な見方になるため企業秘密ということにしておきます。

注:例題の命式は「火多くして土崩れ舞い散る」の内容をわかりやすく説明するために日干(日支)以外が火質と火源になる木質があるものを取り上げました。実際の鑑定ではこの部分だけではなく他の占技を加味して全体的にみていきます。

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