日干が金質で土質が多い命式の場合、「土多埋金」となります。
日柱 | 月柱 | 年柱 |
庚 | 戊 | 己 |
戌 | 辰 | 未 |
五行に直すと
日柱 | 月柱 | 年柱 |
金 | 土 | 土 |
土 | 土 | 土 |
金質というのは、掘り起こされ、加工され、道具となって始めて世の中の役に立ちます。
庚なら鉄鋼、斧、刀剣、辛なら宝石です。道具なだけに、五行(木、火、土、金、水)の中で一番社会に貢献したいという気持ちが強い五行です。また金質は攻撃本能です。人生を自分の力で切り開き、どんどん前進し、世の中を改革していく本能があります。それが沢山の土質に囲まれ、生じられ、ぬくぬくとしているようでは本来の金質の役目を果たせません。
日干金質の人にとって、自分を生じる土質は両親、目上です。土の中に埋もれたまま過保護に育てられると、自分の才能が埋もれ、ただの石ころ人生となってしまいます。
多い土質を木質によって剋し、掘り起こしてもらわなければなりません。土多埋金の命式には土質を木剋土と剋す木質「甲」が必要です。そして「庚」(陽の金質)であれば土から掘り起こしてもらった後は、火質「丁」で鍛えられて(加工されて)、道具(刀剣、斧、鍬)にならなければなりません。「辛」(陰の金質)であれば、土から掘り起こしてもらった後に、水質「壬」で綺麗に洗い流して磨いてもらい、宝石になる必要があります。同じ金質でも埋もれた土から出た後は、陰陽で必要なものが異なってきます。
親元を離れ、日干「甲」の人と交流することは陰陽でも同じですが、日干「庚」の人からみて、「甲」というのは「禄存星」、「丁」というのは「牽牛星」です。自身の目の前にいるたくさんの人の幸せのために分け隔てなく愛情を注ぎ奉仕をし、自らがこの世の役に立ち、先頭を切って明るく照らしているという自尊心を持って生きていくと「庚」としての役目を果たしていけます。
日干「辛」の人からみて「甲」は「司禄星」、「壬」は調舒星です。こつこつとただひたすらに地道に自分のできることを積み重ねて信用を獲得し、孤独の中で他人には理解してもらえない葛藤があっても自身の感性を大事にしていきていくことで「辛」として光り輝いて生きていくことが出来ます。
注:例題の命式は「土多くして金埋もれる」の内容をわかりやすく説明するために日干以外が土質になるものを取り上げました。実際の鑑定ではこの部分だけではなく他の占技を加味して全体的にみていきます。