六十花甲子　第二番「乙丑」

乙丑は理性を軸に動く実践家。しかしその奥には、ぽっと灯ったような温かい優しさが潜んでいます。目的が定まらない時ほど視野は広がり、人に寄り添える人情家としての顔が現れます。

人生はどこか遠く大きな世界へと広がっていきますが同時に、しっかり足元を見つめる力もあるので、夢に溺れることはありません。「頭で作った夢」ではなく、「行動の中で育った夢」を追う人です。だからこそ、どんな環境に身を置くかが運命の鍵となります。周りの空気や人が、未来を大きく左右します。

乙丑の真のエネルギーは、前に立つときより、一歩引いた位置で光ります。
“実践する人たちに知恵を渡す”、そんな立ち位置で、エネルギーが一層冴えわたります。
「あるもの」から「ない世界」を理解する才能を所有しており、本質は守りが強く、堅実で慎重ため、芯がぶれずに歩みを進められる人でもあります。

精神面では少しだけ孤独を苦手とするところがあり、ひとりでいると力が落ちやすいのですが、逆に人の輪の中では能力がぐんと伸びます。集団の中に自分の“居場所”を見つけたとき、本来の力を最大限に発揮します。そして何より、人の心を読むセンスは天性のものがあり、人と調和し、その場に自然と溶け込む力も魅力の一部です。